■NFTやweb3に対する自由と可能性とアンチテーゼ
今回、夢見さんが運営する「アンチくん」の企画としてコラムを書かせて頂きます、ビッグバンブーです。5/1には銀座のクリプトバーp2pで1日店長をやらせていただいたり、昨年はemootさんの開催するBoost!!勉強会に参加したりと、ブロックチェーン技術や暗号資産、web3の魅力に惹きつけられてこの世界に足を踏み入れました。根がエンジニアなことも関係してか、少し理想論的に私の考えをつらつらと書き綴っていきたいと思います。
・中央集権か否かよりも自由であるか
まず最初に良く語られるこの「中央集権か分散か」というテーマについて。私も当初はビットコインの思想に影響を受け、極めて分散化されている姿が美しいと感じていました。また、大企業に勤めていたこともありピラミッド階層の上に成り立つ指揮命令系統など、これまでの時代であればうまくいってきたことが変化の速い現代についてはほころびが生じていること、自分がマジョリティではなくマイノリティであることも加えて、国家が明確にある世界よりもボーダレスな世界の方がいいのでは?と思っていました。一言で言えば、生き苦しかった。自由が欲しかったのだと思います。
しかしながら、本格的にブロックチェーンを学べば学ぶほどに、完全なる分散というものの難しさがわかってきました。現時点で完全なるDAOは存在しない、DAOっぽいものしか無理なのかも…と。現状はいわゆるweb3ならぬ、web2.5とかweb2.1くらいじゃん!という認識が昨年のweb3ブームの時に感じたことです。
ただ、その中でも日本のNFTプロジェクトを始め、複数のプロジェクトでNFTホルダーが自主的に創作活動を始めたり、運営とユーザーの垣根があいまいになって一緒に盛り上げたり、誰にも指示も命令もされていないのに、好きな人が集まってわちゃわちゃと楽しく自由にやっている姿が好きでした。アンチくんのテーマも「終わらない大人の文化祭」。まさしくそんな感じ。
そんな中、日本のNFT界隈の雰囲気が変わったのは、CNPを始めイケハヤさんが関わった御三家と言われるプロジェクトが軒並みフロア価格を更新して値上がりしつづけ、フリーミントからのAL配りやガチホ的なマーケティングが流行りだしてからかな、と私は感じています。これ自体が悪かったとは思っていません。流行っているマーケティング手法、売れるための定石、それらが真似されたりすることはよくあることです。しかし、その手法がBrain等の紹介料を目玉にしたプラットフォームで多く拡散され、みなが盲目的に単一的な方向に向かったのが好きではありませんでした。イケハヤさんのやり方以外はダメ、絶対失敗する、そういった論調もあり、そこに自由はもうなくなっていたと思います。2022年の秋~冬にかけてのことです。
・何に対するアンチテーゼか?
私は一つの画一的なマーケティング手法、一人の人の言動、それが絶対的に神格化されることにアンチテーゼを唱えています。「アンチくん」を持っていると、イケハヤさんのアンチなんでしょ?CNPのアンチなんでしょ?というイメージを持たれるかもしれませんが、個別の人やプロジェクトに対して思ったことはなくて(どちらかというと好き、どちらかというと自分の好みじゃないはありますが。むしろプロジェクトの運営や企画の人にはリスペクトを持っています)、日本の村社会や同調圧力の総意として向かった先が著しく偏った状態であったことに対してアンチなのです。
それは言い換えると、分散化を好むということかもしれませんし、自由かもしれないですし、少数でも多様性を認めた方がいい、ということになります。そもそものビットコインの思想が、中央集権的な国家や法定通貨のアンチテーゼ、カウンターカルチャーから生れたものでもあるので、そのベースのテクノロジーを使ったNFTに関しても自由がもっと欲しいなぁと。
もう一つ、私が持つアンチ的な思想としては、「それってNFTでやらなきゃダメなんだっけ?」と常に考えてしまうことです。ブームの中で生まれたプロジェクトの中には、必ずしもブロックチェーンでやる必要がなく、かつNFTをFTのように扱っているようなものもあり、なんのための非代替性なんだ…と思うことが良くあります。ここは私がエンジニアなので、技術の特徴を生かして有益なものにしたい、という願望や理想があるのだと自覚しています。そうやって、NFTである意味がないものをNFTにするな!という自分の思想が「自由」を阻害してしまっていて、なんだか自己矛盾なのですが(笑)
・web3に対する可能性
2023年にはいって、暗号資産、NFTも冬の時代と言われていますが、私は投機目的の人もかなり減ってかえって良かったと思います。熱量ある人や、黙々と続けてきた人が残っているので、これからもっと良いものが出てくるのでは?という可能性を強く感じています。実は前項で書いた内容に自分自身この界隈に嫌気がさして、少しの間距離を置いていたのですが、その間に「リアル×NFT」といった事例も多くみかけるようになりました。それは牡蠣だったりビールだったり、盆栽だったりと色々ありますが、これまでの現実世界を拡張し、新しい価値観をもたらすような挑戦が多いように感じます。それこそ、このやり方だけが正義!という風潮もなくなり、冬だからこそ、難しいからこそ、試行錯誤して色々なプロジェクトややり方が出てきています。自由と挑戦、可能性にまたワクワクしはじめています。実際に4月から東京に頻繁に出向いてリアルイベントに参加しておりますが、集まる人の熱量はすさまじいものがあります。身をもって、本当に冬なのか?と時々勘違いするほどです。もちろん、実際には新規の関係人口がそれほど増えておらずパイの奪い合いになっているという課題もありますが。
私も今年はエンジニアのはしくれとして、NFTであることの意味、ERCにおける様々な規格をうまく使うことで面白いことができるんじゃないだろうか?と手を動かして生み出して楽しんでいく1年としたいと思います。アンチくんの運営に入ったのは、まだ何もできていない自分が少しでも、ただ利用する、ただNFTを買う、だけから、面白いことを仕掛けていく、発信していく、作っていく、ための一つの手段として考えています。
夢見さん自身も運営者向けのメッセージで「私(夢見さん自身)をうまく使ってもらう価値」について言及されており、本気でNFTを盛り上げようとしているのが伝わります。(正直な話、夢見さんを詳しく知る前は、ガチのイケハヤさんアンチの人なのかな、という認識がありました、すいません。アンチくんは「本音を言う雰囲気」を大切にしている、ということで実は…ということで最後はポロリさせてもらいました。)
長文となりましたが、読んでいただきありがとうございます!
これからweb3、NFT、楽しくやっていきましょう!