※こちらは3ヶ月ほど前にDiscordの「独り言」に掲載した記事の転載となります。
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おはようございます✨
ここの所、文章での情報発信による反響が多く、
着実に、独自の運営方法への支持をいただけつつあるのを感じております。
みなさま、いつもリプやDMをくださり、本当にありがとうございます。
そんな中で。
NFTマーケットにおける「スペース至上主義」に疑問を抱いていた方はやはり潜在的に多かったようで、
特にコレクションを運営をしている方からは、共感したとのメッセージを数件いただきました。
そのうち1件、こんなご相談をいただきました。
「私も文章での発信をしたいと思ったのですが、
実際に書き始めてみると、なかなかうまく書けませんでした。
文章を書くコツとかってありますか?
オススメのハウツー本などあれば教えてください」
すごい!お悩み相談室みたいですね!
中島らもになったみたいで、何だか嬉しいです!
あ、らもさん知らない?????
で、結論から言うと。
私は、文章のハウツーを語れる自信は、ありません!
・・・自分の場合は。
過去に大量の本を読んだ事がベースにあるのですが。
文章を書くコツは、早い話、それだけだったりします。
ちょっと身も蓋もない回答になりますが、
「良い文章を書くには、大量の本を読むこと」が基本です。
1の文章を書くには、10の文章を読んでいる必要がある、と言われています。
なので、とにかく色んな文章を読みまくることが、「文章を書くコツ」にはなります。
今から文章発信しようとしているのに、
文章を大量に読むことからスタートって・・・
やってられないですよね。
それを言ったらお悩み相談室終了なので、
何でも良いから、それっぽい事が言いたいですよね。
何か、オススメの方法ないかな、と考えたのですが。
ひとつ、ありました。
まず。
読書をほとんどしない人でも、2つのタイプに分かれるかなと思います。
①単発ならそこそこ文章を書ける
②まったく文章が書けない
まあ、当たり前の分類ですね。
これ以外にも「読書をまったくしないけど、めちゃくちゃ書けるタイプ」の人もいると思いますが、
そんな人は、文章の書き方で悩んだりしないので、除外しています。
で、②の人は、文章での発信は、しないほうが良いと思います。
そもそも「スペースではなく文章も良いよ」というのは、
スペースが苦手な人に対しての提案であって、
スペースが得意なら、スペースをしたほうが良いでしょう。
文章が苦手なら、文章ではなく、別の勝負方法を探したほうが良いと思います。
ふむ。
ここまで全部、当たり前の事しか書いてませんね。
それで。
①の人は、「そこそこ書ける」のであれば、
今から大量に読まなくても、ちょっとしたエッセンスを知るだけで、
飛躍的に文章を使いこなせるようになる可能性は、あるだろうなとは思います。
読書経験が少ない場合、口語体しかピンとこないと思うので、
文中に「テクニック」を潜ませる事が、あまり出来ないのではと思います。
文章には、色んな技術が存在しますので、
それを知ったほうが、得ではあります。
勢いだけで書く人だと、すぐに文章が打ち止めになって、
書くことが無くなるというケースも多いと思います。
「書きたいことがあるのに、うまくアウトプット出来ない」という場合は、
単にテクニックを知らないだけですので、テクニックを知るだけで、
ドンドン書けるようになる気がします。
「書きたいことが、そもそも無い」なら、テクニックは関係ないでしょう。書くのは諦めましょう。
私はジャンルを問わずに色々な本を読んでいました。
本こそが情報収集において最強に効率的だと信じているからです。
今はネットで情報収集ができますが、
体系的にひとつの内容を知るには、
それなりに推敲と編集がなされて出版された「本」のほうが遥かに有益なケースが多いです。
本は出版までに時間が経っているので情報鮮度が低いと言う人もいますが、それについては、また機会があれば話します。
で、自分が大量に読んできた本の中で、
「文章を書くためのテクニック」に目的を絞れば、一番役に立ってるかなと感じるのは、
「純文学小説」ですね。
はい、ここが結論です。
「純文学がオススメ」です。
結論が遅い!30点ですね!
さて。
純文学小説っていうのは何かというと、なんか、難しい小説です。
もし文章を書くことに興味が無いなら、人に勧めることは無いジャンルです。
だって、興味の無い人に勧めても、微妙な反応をされるからです。
「読んだけど、意味がわからなかった」って言われる確率99%です。(若かりし頃の自分調べ)
純文学を言葉で定義づけるのはとても難しいんですが、
「色々な文章の可能性を探り、作者ごとの個性で、文章で遊んでいる」といった感じでしょうか?
めちゃくちゃ個人的なイメージです。
ちょっと、現代アートに似てるかも。
今までなかったような斬新な文章が出てくると「その手があったか!」と手を叩きたくなるような、
そんなジャンルです。あれ、こんなんで伝わるかな?てか、あってるのかな?詳細はググってね。
で。
そんな「言葉で遊ぶことに全力を尽くしている」作品なので、
ストーリーとか、ぜんぜん重要じゃないんです。
内容とか、どうでもいいんです。(暴論)
どの部分で、どういった言葉を使えば、どこに効果的か。
そういった事ばっかりを試行錯誤していたり、
はたまた、どこにも効果的にならないような言葉を差し込んで混乱させたり。
(私が理解できていないだけか?)
エッジの効きすぎた純文学は、私も読んでいて、ぜんぜん意味がわかりません。
エヴァンゲリオンの25話と26話をはじめて見たときよりも意味がわからなかった作品がザラにあります。
読み解けば意味があるのか、最初から意味なんて無いのか、それもわからなかったり。
ただ。そんなバラエティ豊かな純文学ですが、
全体的に「リズム感」がある作品が多いかな、と思います。
意味はわからないんだけど、読んでいて言葉のリズムが良く、
頭の中に自然と入り込んでくるようなテクニックです。
純文学作品を何冊か読んだ経験があるのと、まったく無いのとでは、
この「文章にはリズムが大切なんだ」という感覚値でけっこう差がでるように思います。
あ、ちなみに。
文章にこだわると「感覚値」なんて言葉も、使うべきかどうか、悩みます。
感覚値はビジネスでたまに使われますが、本来、日本語としては微妙です。
より正しい言葉を使うか、より伝わりやすい言葉を使うか、のせめぎ合いです。
誤字脱字はあまり気にしませんが、こういうのはめちゃくちゃ気になります。
えっと。
つまり、何だか遠回りな方法な気もしますが、
私としては「純文学小説」を数冊だけでも読んでみるのが、
オススメかな、と。
純文学を読むと、不思議と、文章を書きたくなるんですよね。
また、純文学に関わらず。
クラシカルなエンタメには基本技術が集約されている事が多いです。
歌舞伎出身の役者は演技力が凄かったり、
落語マニアの芸人は話術に芯が通ってたり。
クセが強くなりがちですけどね。
消費者側なら興味ないものを無理して見る必要はありませんが、
表現者側になるなら、一度は伝統みたいなジャンルに触れるのも、悪くないと思います。
何を読むか?
うーん。
「芥川賞受賞作品」が良いのでは?(この賞には思うところがあるので、やや不本意ですが)
西村賢太さんとか、オススメです。
円城塔さんの作品は、意味不明ですが、意味ありげです。
又吉さんの火花は、やめたほうが良いです。
そんな感じですね。
・・・私はお悩み相談室は、向いてませんね。
ではでは。
本日もよろしくお願いします!
【追記】

↑
たとえば、初っ端からこんな感じ。
「えっ、何かスゴく難しくてわかんない・・」と思われた方。
問題ありません。
こんなの、芥川龍之介が読んだって意味わからないと思います。
伏線の部分もあるのですが、何の伏線にもなっていない部分もあったりします。
ただ、この文章の中に色々なテクニックが凝縮されているのは確かです。
ぜんぜん意味がわかんないけど、こういうのを読んでいると、
文章を書くうえではスゴく刺激になるんですよね。
[円城塔] Self-Reference ENGINEより。